PHPとは?基礎やできることを初心者向けに解説する
この記事ではプログラミング言語「PHP」の特徴や出来ること、このほか基本的な記述ルールや構文など、PHPに関する全体的な情報をお届けします。
▼この記事で分かること
- PHPの特徴やできること
- PHPの基本的な記述ルール
- PHPでよく使う基本的な構文
▼この記事を書いたひと
フリーランスみやしも(@miyashimo_blog)です。プログラミングやWebサイト制作に関するITの情報を幅広くお届けしていきます。
PHPとは?
今回解説する「PHP(PHP:Hypertext Preprocessor)」はサーバーサイドのスクリプト言語です。
PHPは動的なWebページの生成やデータベースとの連携などの作業目的に適しており、WebサービスやウェブサイトなどのWeb系のプログラム開発で広く使われています。
PHPの特徴
プログラミング言語PHPの特徴について順番にお伝えします。
▼PHPの特徴
- Web開発に特化したプログラミング言語
- シンプルな構文で初心者でも覚えやすい
- フレームワークが豊富に用意されている
- Web開発では圧倒的なシェア率です
①Web開発に特化したプログラミング言語
プログラミング言語にも様々な種類や特徴がありますが、PHPはWeb開発に特化したプログラミング言語です。
Web開発の分野は大きくフロントエンドとバックエンドに分類されますが、PHPはサーバサイドで動作するバックエンドの開発言語として動的にWebページを生成したり、データベースと連携したり、Web開発に求められる機能が沢山が用意されています。この上でHTML・CSS・JavaScript等のフロントエンド技術とも相性が良く、組み合わせることで効果的なWeb開発が可能になります。
そんなPHPは登場から歴史が長く、また実績もあることから、現在でもWeb開発においてシェア率が高く需要も常にある人気のプログラミング言語となっています。
②シンプルな構文で初心者でも覚えやすい
PHPは初心者が覚えやすいプログラミング言語としても知られています。理由には次のように、情報量が多いことやシンプルな言語である点が挙げられます。
▼PHPが初心者向けの理由
- インターネットや書籍などの情報が充実している
- インタプリタ言語なのでコンパイル作業を必要としない
- 構文がシンプルなので理解しやすくコードの記述量も少ない
PHPはプログラミング言語としての歴史が長く、インターネットや書籍などの情報も充実しています。検索すれば自分がやりたい事を簡単に調べられますし、スキルアップや問題解決のヒントも得やすいです。
PHPはインタプリタ言語としてコンパイルを必要することなく素早くコードの実行や検証ができます。また構文がシンプルで覚えやすくコードの記述量も少なくて済みます。この様に簡易性や効率を目的に作られた言語の事をスクリプト言語とも呼びます。
③フレームワークが豊富に用意されている
PHPではフレームワークが豊富に用意されている点も特徴的です。
フレームワーク(Framework)はコードの品質管理や開発効率の向上を目的に共通の機能や構造を提供する、ソフトウェア開発の「枠組み」のことです。PHPで使えるフレームワークには以下が代表的です。
▼代表的なPHPフレームワーク
- Laravel
- CakePHP
- Zend Framework
フレームワークにはあからじめ定義されたコードやライブラリなどの再利用可能なコードが沢山含まれています。そんなフレームワークを導入すれば、エンジニアの負担を軽減しつつコストを抑えた開発が可能になります。
④Web開発で圧倒的なシェア率です
PHPはWeb開発において圧倒的にシェア率が高いプログラミング言語です。
IT関連の統計データを公開しているW3Techsのサーバーサイドプログラミング言語の使用統計ではPHPが1位にランクインしています。当サイトが確認した2024年9月時点でのシェア率は75.9%であり、PHPの人気が圧倒的であることが確認できます。
またコンテンツ管理システムの使用統計と市場シェアではWordPressが1位ですが、ウェブサイト開発で有名なWordPressもPHPによって作られています。
Webの技術進歩は速く技術や言語のシェアも徐々に変動していますが、現時点で圧倒的にシェア率が高く、また実績があるPHPは今後の新規開発でも選ばれる可能性は高いです。
PHPを使ってできること
ここではPHPを使って実際にできることを順番に紹介します。
①動的なWebページの生成
PHPをHTMLと組み合わせて利用すると動的なWebページが作成できます。
Webページは通常HTMLを使って作成できますが、単純なHTMLだけでは誰がいつみても同じ内容しか表示されません。しかしHTML内にPHPのコードを埋め込むことで、処理結果に合わせてWebページの内容を変更できる、動的なWebページの生成ができる様になります。
②データベースと連携する
PHPはWebサービスなどのアプリケーション開発でよく利用されるデータベースとの連携が可能です。
データベースは大量のデータを効率よく扱うための仕組みであり、通常はMySQLやPostgreSQLなどのデータベース管理システムを通じて運用されます。例えばSNSやショッピングサイト等のWebサービスで表示される情報の多くは、プログラムがデータベースから取得したり保存する形でやり取りされています。
③フォームのデータ処理
PHPではフォームから送られたデータを処理する仕組みが多数用意されており、次の様なフォームの仕組みも簡単に実装できます。
▼フォームの実装
- フォームから送られたデータを受け取る
- ユーザーが選択したファイルをWebサーバーに保存する
- フォームに入力された情報に問題がないかチェックする
④WordPressサイト制作
ウェブサイト開発で有名な「WordPress(ワードプレス)」はPHPを使って開発されています。
このためPHPを覚えればWordPressを使った新規サイトの制作や、既存サイトのカスタマイズも可能になります。例えばWordPressではサイトのデザインや機能性を自由に変更できる「テーマ」という仕組みが用意されていますが、いずれもPHPを使って独自に作成したり自由にカスタマイズできます。
HTML・CSS・JavaScriptとの違い
PHPと一緒に使われる言語にはHTMLやCSS、JavaScript等がありますが、いずれの言語にはフロントエンド・バックエンドという分野の違いがあります。
フロントエンド |
アプリのデザインやUI/UXなど、ユーザーが直接目にするWebサイトやアプリの見た目や操作感を担う分野。 |
バックエンド |
データベースの操作や認証など、ユーザーからは直接見えない裏方の仕組みやデータの処理を担う分野。 |
プログラミングにおけるフロントエンド・バックエンドの違いについては次の記事で詳しく確認できます。
PHPの基本的な記述ルール
ここではサンプルコードを実例にPHPの基本的な記述ルールを紹介します。以下はWebブラウザの画面に「Hello, World!」というテキストを表示させるシンプルなPHPのコードです。
▼index.php
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>サンプル</title>
</head>
<body>
<?php
// 画面にテキストを表示させる
echo "Hello, World!";
?>
</body>
</html>
上記コードを記述したPHPファイルを作成してサーバーに公開すると、Webブラウザの画面では次の様に表示されます。
ファイルの拡張子は.phpにする
PHPでは作成したファイルに.phpという拡張子を付けることで初めて実行可能になります。今回はトップページのファイル名によく使用される「index.php」という名前でファイルを作成しています。
PHPのコードを書く場所
PHPのコードはPHPタグと呼ばれるタグの中に書くことで正しく実行できます。PHPタグは上記サンプルコードの様に<?phpから始まり?>で終了します。
コードの最後にセミコロンを付ける
PHPでは各命令文の終わりに必ずセミコロン(;)を付けます。セミコロンを忘れてしまうとPHPの実行時にパースエラーになってしまいます。
エコー文
エコー文(echo)を使うと文字列や変数を画面に出力することができます。
PHPのコメントの書き方
PHPでは他のプログラミング言語と同じようにコード内にコメントを書く事ができます。
PHPの基本構文
ここからはPHPで扱うことができる基本的な構文をいくつか紹介します。
変数
PHPでデータを格納するために変数を使用します。PHPの変数名は次の様に$記号から始まります。
▼index.php
<?php
$greeting = "Hello, World!";
$number = 42;
?>
配列
配列は複数の値を1つの変数にまとめて格納できるデータ構造です。
PHPでは通常つぎの様にarray()関数を使って配列を定義します。また配列の要素を取得する際は変数の後ろに[]を付けてアクセスする要素の番号を指定します。
▼PHPコード
<?php
// 配列を定義する
$fruits = array("リンゴ","オレンジ","バナナ");
// 要素にアクセスする
echo $fruits[0]; // リンゴが出力される
echo $fruits[1]; // オレンジが出力される
echo $fruits[2]; // バナナが出力される
?>
PHPでは配列を使ってデータベースなどの複数データを処理することが多いです。また添字配列や連想配列など配列の種類や特性を理解しておくとより効果的に使うことができます。PHPの配列について詳しく知りたい方にはPHPの配列の使い方の記事もおすすめです。
条件分岐
PHPでは特定の条件に基づいて異なる処理を実行する条件分岐を使用できます。以下は代表的なif文を使った条件分岐の例です。
▼PHPコード
<?php
$age = 20;
if ($age >= 18) {
echo "Adult";
} elseif ($age >= 13) {
echo "Teenager";
} else {
echo "Child";
}
?>
上記のif文では変数$ageの値が18以上なら"Adult"、13以上なら"Teenager"、それ以外なら"Child"が出力されます。$ageには20がセットされているので実行すると"Adult"が出力されます。
PHPではif文による条件分岐をよく使用します。if文に関する詳しい情報はPHPのif文の書き方の記事から確認できます。
ループ
PHPでは同じ処理を繰り返し行うためにループ構文を使用できます。以下は代表的なfor文を使ったループ処理の例です。
▼PHPコード
<?php
for ($i = 0; $i < 5; $i++) {
echo $i;
}
?>
上記では初期化した変数$iの値が5より小さい間ループします。また$iの値は各ループの終了時に1加算されます。つまりループは5回繰り返され、0から4までの値が出力されます。
PHPのループにはfor文以外にもforeach文やwhile文も存在します。代表的なfor文についてはPHPのfor文の書き方が、配列と組み合わせて使えるforeach文にはPHPのforeachの書き方がそれぞれ参考になります。
関数
関数は再利用可能なコードのブロックを定義するために使います。PHPには様々な組み込みの関数が用意されていますが、次の様にfunctionキーワードを使うと独自の関数を定義できます。
▼PHPコード
<?php
function greet($name) {
return "Hello, " . $name;
}
echo greet("John");
?>
上記サンプルでは引数の$nameに文字列を追加して返すgreet関数を定義しており、実行すると”Hello, John”という文字列が出力されます。
この記事のまとめ
今回はプログラミング言語「PHP」の特徴や出来ること、このほか基本的な記述ルールや構文など、PHPに関する全体的な情報をお届けしました。いずれもプログラミング学習などの幅広い目的でご活用頂きたい情報です。
このほか当ブログではプログラミングに関する情報を多数掲載しています。あわせてご活用くださいませ。
▼関連記事を探す